宇宙航空研究開発機構

突撃!きずな実験レポート 第22回(2013.12.13)

第22回目は民間利用実証実験において、日本の最東端である南鳥島から『きずな』を使用したインターネット接続実験を実施している国土交通省関東地方整備局東京港湾事務所の高橋様にお話を伺いました。

『絶海の孤島における港湾整備を「きずな」を用いた常時接続高速大容量通信で支援』

国土交通省 関東地方整備局 東京港湾事務所 第一特定離島港湾課長 高橋 康弘(たかはし やすひろ)
国土交通省 関東地方整備局 東京港湾事務所
第一特定離島港湾課長
高橋 康弘
高橋 康弘(たかはし やすひろ)
昭和63年 運輸省(現、国土交通省)入省
現在、南鳥島及び沖ノ鳥島の港湾施設整備に従事する中で、南鳥島において内地~島間のインフラを整備。

 東京港湾事務所の業務内容を教えてください。

『東京港や遠隔離島の港の整備を行っています。』

 首都圏物流の玄関口である東京港において、国際競争力強化のためにコンテナターミナルを整備しています。また、東京から南方に約2,000㎞離れた遠隔離島(南鳥島、沖ノ鳥島)において、海洋資源開発支援のための拠点としての港を整備しています。



南鳥島の位置


日本最東端の碑



 2013年3月から「きずな」を利用した民間利用実証実験に参加していただいていますが、「きずな」を使おうと思った理由を教えてください。

『南鳥島における迅速な港湾の整備のために常時接続高速大容量通信が必要でした。』

 「きずな」による常時接続高速大容量通信を用いて、既存の衛星電話だけの通信環境における制限を無くし、内地と離島の情報をリアルタイムで共有することにより、南鳥島の港湾を迅速かつ効率的に整備するためです。他の通信衛星では南鳥島などの遠隔離島をカバーしておらず、利用が困難でした。


 「きずな」を利用できなかったことを想定した場合と比べて、南鳥島での活動の効率化、的確な業務の実施、デジタル・ディバイド(情報格差)の解消等について、どのような印象をお持ちでしょうか。また、「きずな」にどのような印象を持ちましたか。

『情報のリアルタイム共有が可能になり、業務を効率化できました。』

 「きずな」の利用による、送受信データ容量制限の緩和及び常時接続化により、南鳥島と内地の情報のリアルタイム共有が可能となり、業務が効率化されました。


 他の離島での港湾整備業務も行われているかと思いますが、通信衛星の利用はそれらの業務についても有効と思われますか。

『通信衛星を利用することで、離島の港湾がより迅速かつ効率的に整備できます。』

 南鳥島以外の離島でも通信の制限によって生じる情報のタイムラグが問題となっているので、通信衛星により現地と内地の情報がリアルタイムで共有できるようになれば、離島港湾の整備の効率化、迅速化が期待できます。


 通信衛星の利用にあたり、要望や課題はありますか。それらの要望や課題がクリアされることにより、離島での活動にどのようなことが期待できますか。

『「きずな」回線の接続・切断作業の自動化、IDUの遠隔操作を希望します。』

 現在「きずな」による回線は、接続可能時間が割り当てられており、割当開始・終了時に人の手による回線の切断・接続作業が必要です。深夜・早朝にその都度職員が作業していますが、作業が自動化されれば、深夜・早朝の作業が無くなります。また、IDU(In Door Unit)の遠隔操作が可能になれば、更なる離島への導入が可能になります。


南鳥島に設置した「きずな」地球局