宇宙航空研究開発機構

突撃!きずな実験レポート 第12回(2011.05.25)

第12回目は、きずな実験チームの在籍している入社2年目の小川から、「きずな」と共に過ごした2年間を振り返ってもらいました。

『「きずな」に関わり、興味の幅が広がった!』

衛星利用推進センター小川 恵美子
宇宙航空研究開発機構
宇宙利用ミッション本部
衛星利用推進センター
小川 恵美子
小川 恵美子(おがわえみこ)
理学研究科修士課程修了
大学院では地球惑星科学を専攻し、月周回衛星「かぐや」のデータ解析などを行った。
2009年4月JAXA入社。

 JAXAに入って最初の仕事が「きずな」ということですが、最初はどのような気持ちでしたか?

『驚き。そして、チンプンカンプン。2年間でようやく馴染んだかな。』
                                    

 もともと学生時代から衛星に興味があったため、超高速インターネット衛星「きずな」の存在は知っていましたし、打ち上げのインターネット中継も見ました。しかし、まさか自分がこの「きずな」に関わるようになるとは思いもしなかったので、配属を聞いたときは驚きでした。

 「きずな」チームに配属後、「きずな」を使った実験についていろいろと教えてもらいましたが、最初は「きずな」の通信システムがどんなものか、実験で何をやるのかも想像がつかなかったので、話がチンプンカンプンで正直不安でした。そこから、徐々に「きずな」について理解できるようになり、約2年間やってきてようやく馴染んできたかなぁと感じてます。

 今までにどのような実験に携わりましたか?またその中で印象に残っているのは?

『世紀の大イベント【皆既日食】中継』

 遠隔教育実験、遠隔医療実験、洋上船舶通信実験、「きずな」の機能確認実験やネットワーク応用実験など様々な実験に携わってきました。

 その中で一番印象に残っているのは、やはり最初に関わった実験ですね。それは、2009年7月のあの皆既日食を「きずな」を使って中継するという実験でした。関わったと言っても、まだ何も役に立てず見ているだけでしたが…。この皆既日食中継のための事前確認試験で初めて実験に立ち会い、実際使用している機材などを見ることができたので、今までの不安が一気にスッキリした記憶があります。いろいろなトラブルもありましたが無事中継が終わったときは心の底から安堵しましたし、世紀の大イベントに関われたことは、とても嬉しかったです。


 「きずな」に関わってよかったと感じることは?

『いろいろな出会い』

 まず、一つはたくさんの実験パートナーの方々と出会えたことです。JAXAの基本実験では、「きずな」の通信を広く活用させるため、宇宙とはほとんど関係のない分野の方々とも実験を行います。普通では出会わないような方々と出会い、一緒にお仕事が出来るのはとても貴重な経験だと感じています。

 もう一つは、今まで接点のなかった通信分野に興味が湧くきっかけとなったことです。出身が理学系だったこともあり、今まで通信分野には興味がありませんでしたが、「きずな」に関わったことで通信も奥が深くて面白いなぁと感じるようになりました。いろんなところで見かけるアンテナに、妙に目がいくようになりましたね(笑)。

 これからの「きずな」に期待することは?

『より多くの人に使っていただく。』

 打ち上げから3年間、様々な実験を実施してきましたが、今年6月でJAXAの基本実験は終了し、今後は次のステップとして、もっともっと広くたくさんの人たちに「きずな」の利用してもらうための「社会化実験」に移行します。

「きずな」は実験衛星なので、たくさんの機能を詰め込んで打ち上げられました。その機能を実用化し、さらなる通信衛星の可能性を広げていければと思っています。