宇宙航空研究開発機構

突撃!きずな実験レポート 第2回(2009.11.18)

第2回目は情報通信研究機構(NICT)の高橋様から実験を通しての「きずな」についてお話を伺いました。

『高速衛星通信でむすぶきずな』

情報通信研究機構 ワイヤレスネットワーク研究所 研究マネージャー 高橋 卓
情報通信研究機構
ワイヤレスネットワーク研究所
研究マネージャー
高橋 卓
高橋 卓(たかはし たかし)
経歴
 電気通信大学大学院電子工学専攻を修了し、郵政省通信総合研究所(現 情報通信研究機構)に入所。衛星通信技術の研究に従事。
 WINDS実験の取りまとめを担当している。

 利用者から見た「きずな」の特長は何ですか?

『小さなアンテナ同士で高速通信が可能』

 「きずな」にはマルチビーム・アンテナマルチポートアンプが搭載されており、従来の衛星と比較して非常に大きな送信電力を使用できます。このため、地球局のアンテナを小さくすることができます。 また、衛星に交換機が載っていますので、地上からの信号を一旦復調処理することで、小さなアンテナ同士でもダイレクトに通信することができます。





 「きずな」による実験でどんな実証ができていますか?

『高速データ伝送の検証』

 622Mbpsという衛星通信では非常に高速の伝送装置を使用して、高速データ伝送の実証を行いました。また、NHKさんと共同でスーパーハイビジョン(1番組100Mbps)を3本まとめての伝送実験にも成功しています。


 「きずな」による実験で印象に残った実験は何ですか?

『硫黄島から「きずな」を使用しての日食映像の伝送』

 2009年7月に皆既日食がありました。この映像を硫黄島から「きずな」を使用して伝送し、インターネット等へ配信しました。これは「きずな」の広域電子走査アンテナを使用したもので、遠隔地からの高速データ伝送に対する衛星通信の有効性を示したものになりました。 また、皆既直前まで雨が降ったりしてトラブルもありましたが、皆既中は映像が途切れることもなく、無事成功しました。NHKや民放のほぼすべての日食関連報道で「きずな」で伝送された映像が使われ、多くの方にご覧いただけたことをうれしく思っています。



 「きずな」での実験成果を踏まえて「きずな」利用の将来性や発展性など展望をお聞かせ下さい。

『アジア・太平洋地域との交流』

 「きずな」には広域電子走査アンテナがあり、アジア・太平洋地域から「きずな」を使用した実験を行うことができます。 衛星の能力、準備できる地球局の能力に応じたデータ速度で通信できる装置を宇宙航空研究開発機構(JAXA)殿と共同で開発中です。この装置を使用していろいろな地域との実験ができたら、と思っています。様々な人に「きずな」を使用していただくことで、新たな衛星通信の可能性が広がればよいと考えています。