宇宙航空研究開発機構

南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験(防災訓練)

実験実施日

平成26年12月10日

実験機関

日本医師会、情報通信研究機構(NICT)、JAXA

実験場所(「きずな」回線利用場所)

日本医師会 東京都文京区本駒込
徳島県医師会 徳島県徳島市住吉(NICT担当)
川島病院(仮想被災地) 徳島県徳島市北佐古一番町(NICT担当)
広島県医師会 広島県広島市西区観音本町
高知県医師会 高知県高知市丸ノ内
九州大学先端医療イノベーションセンター 福岡県福岡市東区馬出
筑波宇宙センター(TKSC) ※インターネットゲートウェイ局

実験概要

 JAXAおよびNICTは、日本医師会が実施する「南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験(防災訓練)」において、大規模災害時に通信網の回線断が予想される各県医師会に地球局を設置し、「きずな」回線によるインターネット環境を提供しました。
 また、NICTが所有する小型車載局から「きずな」回線によるハイビジョン映像伝送を行いました。



日本医師会:可搬型USAT

徳島県医師会:フルオート可搬局


川島病院:小型車載局

広島県医師会:可搬型VSAT


高知県医師会:可搬型VSAT

九州大学:HDR-VSAT
実験結果

JAXAは広島県医師会、高知県医師会、九州大学先端医療イノベーションセンター、NICTは徳島県医師会に地球局を設置して、各県医師会に「きずな」回線を介したインターネット環境を提供しました。また、NICTは小型車載局にて仮想被災地となる川島病院に「きずな」回線を介したインターネット環境を提供しました。
 「南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験(防災訓練)」はクラウド型Web会議システムおよびクラウド型医療情報システムを用いて日本医師会および各県医師会間の情報共有を行いました。なお、今回の訓練の模様は、クラウド型Webセミナーシステム(V-CUBEミーティング)を使って、全国の都道府県医師会に同時中継され、情報共有が図られました。
 また、小型車載局に搭載したハイビジョンカメラで撮影した仮想被災地の映像を日本医師会および徳島県医師会へリアルタイムに伝送しました。




日本医師会

徳島県医師会


川島病院

広島県医師会


高知県医師会

九州大学

◆クラウド型Web会議システムによる情報共有
 「きずな」回線を構築した5拠点と地上回線を利用した日本医師会、兵庫県医師会、岡山県医師会、被災地に移動するJMAT隊員の計9拠点でインターネット上のクラウド型Web会議システムによる情報共有を行いました。「きずな」回線を使用することで被災により地上回線が使用できない高知県医師会、徳島県医師会でも支援状況の把握ができ、被災状況や支援要請等の情報が一元化され有効な災害医療活動が行えることが確認できました。訓練に参加された方からも、地上の通信環境が使用できない際の災害医療活動において有効であるとのコメントを頂きました。
 また、JAXAは「陸域観測技術衛星2号(だいち2号)」による津波による浸水域を模擬した愛媛県、徳島県、高知県の衛星画像を日本医師会に提供し、クラウド型Web会議上で各県医師会と共有しました。


拠点間のテレビ会議

被災地からの報告


地図情報の共有

だいち2号画像の共有

◆クラウド型医療情報システムによる情報共有
 広島県医師会、高知県医師会、徳島県医師会、川島病院および九州大学先端医療イノベーションセンターにおいて「きずな」回線によるクラウド型医療情報システムの利用を行いました。他の44都道府県医師会においても、通常の回線から同システムを利用し、情報を共有しました。
 クラウド型医療情報システムに入力した電子カルテ等の患者情報や交通網の被災状況を全都道府県医師会で共有することにより、効率的な支援活動が行えることを確認しました。訓練に参加された方からも、急性期患者の対応や必要物資の確認ができるため有効であるとのコメントを頂きました。



被災情報の共有

患者情報の共有

◆ハイビジョン映像伝送による被災状況の把握
 川島病院からは「きずな」回線を利用した災害医療活動の報告を行いました。NICTの小型車載局を使用し、走行しながら道路状況や避難所の様子をハイビジョン映像で日本医師会、徳島県医師会に伝送しました。ハイビジョン映像により、より詳細な被災状況を把握することが可能となります。訓練に参加された方からも、被害状況の把握が容易であったとのコメントを頂きました。



車載局搭載ハイビジョンカメラ

走行時の映像伝送