宇宙航空研究開発機構

南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験

実験実施日

平成27年7月29日

実験機関

日本医師会、情報通信研究機構(NICT)、JAXA

実験場所 (「きずな」回線利用場所)

日本医師会 東京都文京区本駒込
静岡県医師会 静岡県静岡市葵区鷹匠(NICT担当)
榛原医師会(仮想被災地) 静岡県牧之原市静波(NICT担当)
三重県医師会 三重県津市桜橋
高知県庁 高知県高知市丸ノ内
宮崎県医師会 宮崎県宮崎市和知川原
筑波宇宙センター(TKSC) ※インターネットゲートウェイ局

実験概要

 JAXAおよびNICTは、日本医師会が実施する「南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験(防災訓練)2015」において、大規模災害時に通信網の回線断が予想される各県医師会に地球局を設置し、「きずな」回線によるインターネット環境を提供しました。
また、NICTが所有する小型車載局から「きずな」回線を介してハイビジョン映像伝送および災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)を利用して仮想被災地との情報共有を行いました。


日本医師会:可搬型USAT

三重県医師会:可搬型VSAT


静岡県医師会:可搬型VSAT

榛原医師会:小型車載局


高知県庁:可搬型VSAT

高知県庁:長距離無線LAN装置


高知県医師会:長距離無線LAN装置

宮崎県医師会:HDR-VSAT

実験結果

 JAXAは三重県医師会、宮崎県医師会、NICTは静岡県医師会に地球局を設置して、各県医師会に「きずな」回線を介したインターネット環境を提供しました。また、JAXAは高知県庁に地球局を設置し、高知県庁と高知県医師会間に長距離無線LAN回線を構築することで、高知県医師会へ「きずな」回線を介したインターネット環境を提供しました。さらに、NICTは小型車載局にて仮想被災地となる榛原医師会に「きずな」回線を介したインターネット環境を提供しました。
 「南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験(防災訓練)2015」はクラウド型Web会議システム(LiveOn)およびクラウド型医療情報システムを用いて日本医師会および各県医師会間で情報の共有を行いました。訓練の模様は、クラウド型Webセミナーシステム(V-CUBEミーティング)を通して全国の都道府県医師会に同時中継されました。
 また、小型車載局に搭載したハイビジョンカメラで撮影した仮想被災地の映像を「きずな」回線を介して日本医師会および静岡県医師会へリアルタイムに伝送しました。さらに今年度はJAXAが研究開発を進めているD-NETを利用し、災害医療活動において有効であることを実証できました。

日本医師会

三重医師会


静岡県医師会

榛原医師会


高知県医師会

宮崎県医師会


◆クラウド型Web会議システムによる情報共有
 「きずな」回線を構築した5拠点と地上回線を利用した日本医師会、和歌山県医師会の計7拠点間でインターネット上のクラウド型Web会議システムを用いてテレビ会議を行い、情報の共有を図りました。「きずな」回線での接続においても地上回線と同様にインターネットテレビ会議で情報共有が有効に行えることを実証できました。
 また、JAXAは「陸域観測技術衛星2号(だいち2号)」による津波による浸水域を模擬した三重県、静岡県、宮崎県、高知県、和歌山県の衛星画像を日本医師会に提供し、テレビ会議で各県医師会と共有しました。


拠点間のテレビ会議


地図情報の共有

だいち2号画像の共有


◆クラウド型医療情報システムによる情報共有
 静岡県医師会、三重県医師会、高知県医師会、宮崎県医師会、榛原医師会において、「きずな」回線を介してクラウド型医療情報システムに接続し、情報の共有を行いました。他の44都道府県医師会においても地上回線から同システムに接続して情報の共有を行いました。
 その場で入力した電子カルテ等の患者情報や被災地マップ等の災害情報を全都道府県医師会で共有し、「きずな」回線を利用して医療支援活動が有効に行えることを実証しました。


災害情報の共有


◆ハイビジョン映像伝送による被災状況の把握
 NICTの小型車載局をハイビジョンカメラで撮影した走行中の道路状況や避難所の様子をリアルタイムに日本医師会と静岡県医師会に伝送しました。高速かつ広帯域で通信可能である「きずな」回線を利用して送られる小型車載局からの高画質ハイビジョン映像により、被災地の状況を詳細かつ即時に把握することが可能になります。訓練に参加された方からも、災害医療活動において有効であるとの評価を頂きました。


走行時の映像伝送


◆災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)による情報共有
 疑似救急車と想定した宮崎県医師会の公用車にD-NET端末を設置し、イリジウム衛星通信を介して送信される車両の位置情報および患者搬送状況を日本医師会の地上回線および宮崎県医師会の「きずな」回線で確認しました。
 宮崎県医師会の担当者からは「車両の位置等をリアルタイムで共有できて良いと」のコメントを頂き、「きずな」回線を利用したD-NETによる情報共有が災害医療活動において有効であることを実証できました。

D-NET運用画面