宇宙航空研究開発機構

東日本大震災支援活動(岩手県)

実験実施日

平成23年3月20日~4月24日

実験機関

岩手県、JAXA

実験場所

岩手県庁 県災害対策本部
岩手県釜石市 岩手県沿岸広域振興局:現地対策本部
岩手県大船渡市 岩手県沿岸広域振興局:現地対策本部
筑波宇宙センター ※インターネットゲートウェイ局

実験概要

 JAXAは、東日本大震災の災害支援として災害対策本部がある岩手県庁と現地対策本部の釜石市、大船渡市に「きずな」を用いたブロードバンド環境を構築し、ハイビジョンのテレビ会議や無線LANを用いたインターネット接続などを提供いたしました。

実験結果

 岩手県庁に可搬型VSAT、釜石市と大船渡市に可搬型USATならびに可搬型VSATを設置し、「きずな」を介して筑波宇宙センターに設置しているHDR-VSATからインターネット回線へ接続しました。各拠点には可搬型VSAT/USATの地球局の他に、L3スイッチやTCP/IPアクセラレータ等の汎用ネットワーク機器を設置し「きずな」災害対応ネットワークを構築しました。


県庁:可搬型VSAT

釜石市:可搬型VSAT

大船渡市:可搬型VSAT 

筑波宇宙センター:HDR-VSAT

◆ハイビジョンテレビ会議による情報共有
 岩手県では発災直後約3日間は携帯電話が使用できず、その後も県庁と接続するためのブロードバンド回線が利用できない状態であり、県の対策本部と現地対策本部間の正確な被災状況の把握、集約等の情報共有に支障をきたしていました。このため、現地対策本部と県災害対策本部の3拠点を「きずな」を介してテレビ会議システムで接続することにより、県庁の災害対策本部で開催される連絡調整会議に現地災害対策本部からリアルタイムで参加することが可能となりました。テレビ会議は災害に関する情報共有、意見交換に役立てられました。


県庁:災害対策本部

釜石市:現地対策本部
 岩手県では3拠点のテレビ会議でしたが、「きずな」はアプリケーションが対応さえしていれば3地点以上の多地点接続が可能です。さらに「きずな」経由でインターネットを利用することで世界中の人々と情報共有が一度にできるようになります。

◆インターネットによる情報発信・情報収集
 岩手県庁の災害対策本部では、無線LANアクセスポイントを設置し、支援機関から派遣された要員の方々によって利用されました。特に、岩手県沿岸地域の被災前後のだいち画像(PALSARおよびAVNIR)をJAXA防災WEBから「きずな」経由でダウンロードし、がれき撤去作業の計画策定や進捗状況の可視化に役立てられました。

 釜石市および大船渡市の現地災害対策本部では、一般市民が出入りする玄関ロビーに無線LANアクセスポイントとノートPCを3台設置し、自由にインターネットに接続できる環境を構築しました。インターネットは沿岸地域に支援活動に来ている各種機関の派遣要員の報告手段としてWebmailの利用や、支援地域へ交通手段・道路の復旧状況の確認やルート確認などに活用されました。また、被災者の方々には生存安否情報の発信や確認、避難所情報、避難者検索、被災状況などの震災関係の情報収集に役立てられました。


釜石市:現地対策本部

大船渡市:現地対策本部