きく8号(ETS-Ⅷ)実験推進ページ

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基本実験

測位実験について

レーザレンジング(SLR)によるレーザ反射体の性能評価及びSLRデータ精度評価実施

回線設計とおりのレーザパルスのリターンを得ることができました。
このことから、レーザ反射体(新規開発物)は十分な性能を有していることがわかりました。

レーザレンジングデータを使用した精密軌道決定を実施し、各局のデータ精度(残差)を評価したところ、30cm以内の誤差で同一位置(軌道)を指し示している事がわかりました。

軌道決定精度としては4m以内です。静止衛星に対するSLR精密軌道決定は世界的にもほとんど例がなく(国際レーザレンジング機構の資料では、きく8号は唯一の静止衛星です)、37,200km遠方のきく8号の位置を4m以内の精度で決定できるという、十分に精度の高い結果が得られました。

この技術は準天頂衛星に搭載予定の反射体の開発に応用されます。

レーザレンジング(SLR)によるレーザ反射体の性能評価及びSLRデータ精度評価実施

時刻同期・軌道決定実験(1/2)

きく8号からの測位信号を受信するモニター局を小金井、種子島(増田)、バンコク、ブリスベンに設置しました。

各局の受信データから、逆GPS技術により、衛星の軌道と時刻を正しく推定する事が実験の目的です。

時刻同期・軌道決定実験(1/2)
測位信号の品質評価及び局バイアスの確定

きく8号からの測位信号の品質として、次の3項目について確認しました。

  • サイクルスリップの頻度
  • マルチパスの影響
  • L帯, S帯信号強度測定

測位信号の品質確認後に、SLR(衛星レーザレンジング)により、きく8号の軌道を算出し、各モニタ局のバイアス確定しました。

  • 各局の持つバイアスを決めることに成功しました。
  • 今後の軌道決定・時刻同期実験の際に考慮する事で、解析の精度を上げることが可能となりました。
各局が持つバイアス量

時刻同期・軌道決定実験(2/2)

きく8号が送信する測位信号を使用した軌道決定に成功しました。

その妥当性が評価のため、SLR(衛星レーザレンジング)データと突合し、精度検証を行いました。

時刻同期・軌道決定実験(2/2)

測位信号による軌道決定値は、最悪値90m位のバラツキがありましたが、SLRデータと矛盾しませんでした。

測位実験で重要な事は、Radial方向の軌道決定精度です(距離と時間を分離するため)。

今回、Radial成分の軌道決定精度は60m以内でした。

つまり、時刻同期精度は200n sec以内ですが、現在、搬送波位相データを使用する事で、精度向上を図っています。

搭載原子時計の性能評価実施

到達可能な測位精度は、きく8号が搭載した原子時計(セシウム型)の時刻管理技術に依存します。

そこで、測位信号を用いて搭載原子時計の軌道上性能評価を行いました。評価の尺度は周波数安定度を表現する分散値(アラン分散)を用いました。

搭載原子時計の安定度(アラン分数)

衛星搭載原子時計の仕様値とほぼ同じ安定度で動作していることを確認しました。