きく8号(ETS-Ⅷ)実験推進ページ

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基本実験

アンテナパターン測定について

アンテナパターン測定についてきく8号の大型展開アンテナ(LDR)の特性評価実験(アンテナパターン測定)を、2007年度は、夏至、秋分、冬至、春分の時期に実施しました。

測定はNICTとJAXAの共同で実施し、図のように地上局を配置しました。

アンテナパターンの測定では、きく8号を衛星のピッチ軸回り及びロール軸周りに動かし、地上に照射する通信ビームの中心位置を十字またはエの字に移動させて測定しました。

No. 実験名称(*) 試験項目 評価結果(サマリ)
1 大型展開アンテナの特性評価実験 アンテナ利得
(ピーク、エリア)
各ビームのアンテナ利得の実測値は、測定誤差を考慮しても解析値と概ね一致している。
2 アンテナパターン
(指向方向誤差含む)
各ビームの実測のアンテナパターンと指向方向は、解析のものと良く一致している。
3 サイドローブレベル ほぼ所望の位置に、アンテナパターンのヌルが形成できている。
4 熱環境変化時(食)の
アンテナパターン
熱環境の変化による受信レベルの変動が確認できた。
5 アンテナパターン補正実験 フェーズドアレー給電部を用いた、アンテナパターンの補正 大型展開アンテナの取付誤差を考慮したアンテナパターン指向方向の補正を実施し良好な結果を得た。また、鹿児島での防災訓練用に新たに鹿児島ビームを形成し、正確に鹿児島方向にビームが形成できることを確認した。

アンテナパターンとサイドローブレベル

2007年冬期に測定したJAXA3局分の実測値に基づくパターンと、事前解析パターンの例として、九州ビームの場合を示します。

実測でのアンテナパターン形状は解析のものと良く一致しています。メインビームの指向方向は、事前解析に比べて東に約0.1度、北に約0.05度程度のズレがありますが、ほぼ一致しています。また、サイドローブについては、2ビーム離れた関東エリアの所望の位置にヌル(Null)点が形成されました。

他の4ビームについても同様に良好な成果を得られ、任意の場所にビームを形成できることが確認できました。

アンテナパターンとサイドローブレベル

アンテナパターン(季節変化)

2007年の夏期、冬期、春期に測定したJAXA3局分の実測値に基づくアンテナパターンとカット図の例として九州ビームの場合を示します。季節変動は、ほとんどありませんでした。

アンテナパターン(季節変化)

熱環境変化時(食)のアンテナパターン

食期間中の受信レベルの変化を2007年秋期と2008年春期に測定しました。この測定では衛星の姿勢は動かさずに、「食」(日陰)を挟んだ数時間、受信レベルの変動を計測しました。例として2007年秋期の測定データを示します。「食」の時間帯のみ受信レベルが変動しているのは、大型展開アンテナの熱環境の変化によるものと推測し、事前解析との比較について詳細な評価を実施中です。約0.2度程度、指向方向が東にずれることがわかっています。

熱環境変化時(食)のアンテナパターン

アンテナパターン補正実験

2007年冬期の測定データを示します。大型展開アンテナ等の機械構造物には取付誤差が必ず存在します。そのため、設計上の理想的な鏡面(設計鏡面)と実際の鏡面(製造鏡面)には差異が生じます。

設計鏡面を想定した励振分布を、給電部から製造鏡面に対して与えると中央下図のようなアンテナパターンとなりますが、給電部の励振分布を製造鏡面に適合するように補正することで、右下図ように所望の方向にビームが形成できることを確認しました。

アンテナパターン補正実験